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決定版

準備編1
ブリーダー直販のメリット

そこへ行けば仔猫のかわいい姿を眺められる手軽なペットショップと違い、ブリーダーから購入するのは確かにひと手間必要です。それでも、良い仔猫を迎えるためにブリーダー直販が選ばれているのは、さまざまなメリットがあるからなのです。
  • merit 01優れた資質の仔猫と出会える
  • merit 02ブリーダーは特定の猫種においての専門家
  • merit 03血統はお墨付き。はっきりした身元も安心
  • merit 04適切な血統管理を行い、先天的な病気のリスクが低い
  • merit 05中間業者を介さず、適正な価格で購入できる
  • merit 01優れた資質の仔猫と出会える
    飼い主さんと仔猫との出会いは容姿を含めた第一印象。それも重要なポイントですが、ブリーダーは容姿以上に健康管理や遺伝子疾患の有無に配慮しています。育てる過程で仔猫の性格も見極めているので、飼い主さんやご家族のご希望に合った性格についてもアドバイスしてくれます。容姿、健康、性質ともに優れた資質の仔猫が揃っていることが、ブリーダー直販の最大のメリットです。
  • merit 02ブリーダーは特定の猫種においての専門家
    同じ猫でも垂れ耳が特徴的なスコティッシュ・フォールドとアメリカン・ショートヘアでは性質も異なり、育て方も違います。ブリーダーは特定の猫種について確かな知識を持ち、その猫種の飼育においては多くの経験を積んでいるプロフェッショナルです。
    ブリーダーにとって、繁殖した仔猫たちは我が子と同じ。仔猫が飼い主さんに愛されて幸せに暮らすことが、ブリーダーの願いです。飼う前も飼った後も、飼育に関する相談ごとには親身になって応じてくれます。
  • merit 03血統はお墨付き。はっきりした身元も安心
    血統に恵まれた猫は、美しい容姿に加えて健康面、性質的にも優れていることが多いと言われます。多くのブリーダーが、キャットショーで優秀な成績に輝いた猫を輩出しています。ブリーダー直販の仔猫はそのような恵まれた血統の猫の遺伝子を受け継いでいて、血統書の信頼性はもちろん、見学の際には親猫の様子が確認できるなど、身元がはっきりしています。
    仔猫たちはブリーダーが整えた最適な環境のもと、母猫やきょうだい猫と一緒に過ごしながら社会性を身につけ、一般家庭に迎えられる準備をします。血統や身元、育ってきた環境が明確という点でも、販売までのルートがよくわからないペットショップと比べて安心です。
  • merit 04適切な血統管理を行い、先天的な病気のリスクが低い
    仔猫を迎える際、気をつけたいのが遺伝性疾患と感染症です。ブリーダーは適切な血統管理と計画的な繁殖のもと、遺伝性疾患をもった仔猫がなるべく生まれてこないよう留意しています。また、飼育環境においても衛生面をきちんと管理しているほか、流通が不要な直接販売のため、仔猫が感染症にかかるなどの健康を害するリスクはほとんどありません。
  • merit 05中間業者を介さず、適正な価格で購入できる
    ブリーダーが飼い主さんへ直接販売する、ブリーダー直販。ペットショップのように中間業者を通さないため、中間マージンが発生しません。血統、容姿、健康に優れた仔猫を適正な価格で購入できることは大きなメリットです。

準備編2
仔猫を迎える前の心がまえ

仔猫のいる暮らしを想像すると、愛らしい姿に癒されたり楽しいシーンばかりが浮かんできます。ですが、仔猫を迎えることはひとつの命を育てること。猫用のごはんを食べれば排泄もし、ときには病気やけがになることもあり、「かわいい!」ばかりではないのです。
仔猫はこれから長く一緒に暮らす家族です。あなたの家は猫との暮らしに適していますか? 家族の中にアレルギーを持っている方はいませんか? 猫の平均寿命は15年以上だと言われています。
「かわいい!」という衝動に駆られて飼ったまではいいけれど、途中で飼えなくなったと放り出してしまっては、ネコちゃんにとって不幸なことです。
ネコちゃんとの暮らしには、お金と手間がかかります。そのことを前提として、仔猫を迎える前になぜ飼いたいのかを考えてみましょう。以下の心がまえを参考に、「仔猫を育てる」責任を自覚した上で、かわいい仔猫を迎え入れましょう。
小型猫写真
  • 1
    どうして仔猫を飼いたいのですか?
    愛情をたっぷり注いであげられますか?
    ネコちゃんは命ある生き物です。流行っているからとか、友だちが飼っているからといった安易なきっかけで飼おうとするは危険です。ネコちゃんも年をとっていきます。かわいい仔猫から見た目も衰えていき、病気がちになったとしても、変わらずに愛情をかけられますか? いつか訪れる最期の日まで、責任を持って飼育し続ける覚悟がないのであれば、飼わないほうが不幸なネコちゃんが生まれません。
  • 2
    仔猫が人とともに暮らせる環境は整っていますか?
    マンションなどの集合住宅では規約によってペット不可の物件もあります。近隣住民に迷惑をかけることなく、またネコちゃんとの幸せな暮らしのためにも、まずはお住まいの条件を確認しましょう。また、留守がちな家の場合はトイレの数を増やすなどの工夫も必要です。飼い主さんの生活スタイルも考慮しながら、仔猫が安心して過ごせる最適な環境を整えることが大切です。
  • 3
    家族もみんなネコちゃんが好きですか?
    家族をはじめ、生活を共にしている人々もみんな、ネコちゃん好きかどうかという点も重要です。アレルギー体質の人は、ネコとの暮らしは苦痛になるだけです。仔猫を家族に迎え入れるということは、飼い主さんの家族や共に暮らす人々の協力も不可欠です。まずは周囲の方々の理解を得てから、飼うべきです。
  • 4
    ネコちゃんの習性をまるごと受け入れられますか?
    ネコちゃんはトイレも決まった場所でするし、お散歩の必要もないから育てやすい、というのは甘い考え。抱っこしたいときには嫌がったり隠れたりするのに、かまってちゃんなのが一般的なネコちゃんの習性です。投げたものを素早く追いかけて獲るといった、狩猟本能が満たされるような遊びはストレス解消の上でも不可欠です。健康管理を兼ねて一緒に遊んであげましょう。遊ぶ時間が足りないと、飼い主さんの気を引くためにトイレ以外で排泄したり、モノを壊すなどすることも。意外と手がかかることをお忘れなく。
  • 5
    経済的な負担が月々どれくらいか把握していますか?
    食事や猫砂代をはじめとする消耗品のほかに、動物病院での定期診断やワクチン接種といった医療費、ペット保険など様々な費用が必要です。そのほか爪とぎやキャットタワーといった用品代もかかってきます。ネコちゃんとの暮らしにどれくらいの費用がかかるのか、飼う前にあらかじめ理解しておきましょう。
  • 6
    飼い猫を不幸な猫にしないために
    ネコちゃんは簡単に捨てたり、取り替えられるモノではありません。一度、仔猫を迎え入れたら、15年余りの月日をともに過ごし、面倒を見続けなければなりません。それ以上に、日々の生活の中でネコちゃんは飼い主さんに癒しや愛を与えてくれます。もし「飼う自信がない」と思ったら、まだ飼うタイミングではないのかもしれません。ネコ好きであればこそ、たくさんの幸せなネコを増やしたいものです。

準備編3
仔猫を迎えるための飼育グッズ

仔猫という新しい家族を迎えるにあたり、飼育に必要なグッズを揃えましょう。初日から使用するものを含め、これだけは揃えておきたいBEST10を紹介します。ネコちゃんは環境の変化にストレスを受けやすい生き物です。初めての環境に心地よくなじめるよう、危険なものやキズをつけられたくないものはあらかじめ排除して、仔猫にとって安全な室内に整えておくこともお忘れなく。
  • Item
    01
    キャットフード
    ネコちゃんの健康を維持するため、栄養バランス良く食事を与えましょう。月齢や年齢といった成長段階を目安にキャットフードを選びます。ネコちゃんは環境の変化に敏感で、フードの種類が変わると食べなくなる可能性があります。ブリーダー直販で仔猫を迎え入れる場合、最初はブリーダーが与えていたものと同じ種類のフードを与えるのがベターです。また、新鮮なお水もネコちゃんの健康維持に不可欠です。いつでも飲めるよう、決まった場所に用意しておきましょう。
  • Item
    02
    2つの専用食器
    ネコちゃん用の食器は、キャットフードを入れる容器と飲み水用の2種類が必要です。食べたり飲んだりしている最中にこぼしてしまわないよう、適度な重さと安定感のある食器が便利です。
  • Item
    03
    トイレ&猫砂
    ネコちゃんはとてもきれい好き。汚れたトイレで排泄することを嫌がります。汚れていると別の場所で用を足してしまいかねません。トイレは常に清潔に保てるよう、洗いやすいものを選びましょう。トイレに猫砂を入れておくのは、ネコちゃんに排泄後にニオイを消そうと砂をかける習性があるからです。猫砂は粒子の大きさが数種類あり、素材もいろいろ。お試しであれこれ使いながら、仔猫好みの猫砂を見つけてください。最初はブリーダーが使用していたものと同様の猫砂を使うと、トイレのしつけにも効果的です。なお、複数の仔猫を飼う場合はそれぞれにトイレが必要です。頭数+1つ分のトイレを用意することをおすすめします。
  • Item
    04
    ケージ、サークル
    仔猫は好奇心が旺盛です。危険な場所へ入り込んだり、いたずらしないよう、生後2ヶ月未満の仔猫はケージやサークルの中で過ごさせるのが安全・安心です。掃除や換気で窓を開けるときや来客時、お留守番のときなど、ケージがあると事故防止につながります。どうぶつ病院などではケージに入って過ごすことになりますから、今後のストレス軽減の意味でも仔猫のうちからケージやサークルに慣れさせておくとよいでしょう。
  • Item
    05
    ベッド
    仔猫が安心してくつろげるよう、専用の寝場所としてベッドを用意しておきたいものです。ネコちゃんは狭くて暗い場所を好む習性がありますから、市販の猫用ベッドでなくてもダンボールやカゴなども気に入ってくれます。やわらかな布を敷いて居心地をよくしてあげてください。
  • Item
    06
    おもちゃ
    仔猫は狩猟本能を刺激するような遊びが大好き。じゃれついたり、噛んだり追いかけたりできるネコちゃん用のおもちゃを用意してあげましょう。棒状にヒモのついた猫じゃらしや、ネズミや鳥の羽根に似せたおもちゃなど、生きているように動かしてあげると、喜んで遊びます。
  • Item
    07
    グルーミング用品
    毛が抜けやすいネコちゃんにとって専用のコームやブラシも必需品です。定期的にブラッシングをして、抜け毛のケアを行いましょう。とくに換毛期になるとたくさん抜け、放っておくと毛玉になり皮膚にも不衛生です。短毛種は数日間に1度、長毛種ならばなるべく毎日行いたいものです。ブラッシングは撫でられるのと同じように気持ち良いようで、ほとんどのネコちゃんが大好きです。
  • Item
    08
    キャリーバッグ
    どうぶつ病院に連れていくときをはじめ、一緒に外出するとき、ネコちゃんの移動のためにキャリーバッグが不可欠です。しかし、ケージやサークルと同様、ネコちゃんが不慣れだとキャリーバッグに入ることを嫌がるどころか、無理に入れるとストレスで体調を崩しかねません。普段から自由に入れる状態にしたり、ベッド代わりに使うなどして、慣れさせておきましょう。
  • Item
    09
    首輪
    どれだけ飼い主さんが気をつけていても、換気中の窓から外に出てしまうなどして、ネコちゃんが迷子になってしまうことがあります。迷いネコになっても見つかるよう、飼い主さんの名前や連絡先を明記した首輪をつけておくことがおすすめです。最近はネコちゃんの盗難防止を兼ねてどうぶつ病院でマイクロチップを埋め込む飼い主さんも増えています。

準備編4
猫舎見学/心得とマナー

ブリーダー直販で仔猫を迎える場合、猫舎を見学して実際に仔猫を見ることが大切です。ブリーダーは仔猫の販売主であると同時に、頼れるアドバイザー。猫舎見学では仔猫の姿をチェックするだけなく、ブリーダーとコミュニケーションが取れる大切な時間です。ブリーダーからきちんと説明を受け、質問があれば聞き、信頼関係を築きましょう。
ブリーダー直販で起こりがちなトラブルのほとんどは、ブリーダーとのコミュニケーション不足によるものです。良いブリーダーは仔猫を譲る相手に対し、いつも誠実な対応を心がけています。譲る前には必要な情報を的確に伝え、譲った後も問題発生時には相談に乗るなど、アフターフォローもしっかりしています。
良い仔猫との出合いは、良いブリーダーとの出会いから。猫舎見学の際は、マナーを守って行いましょう。
心得 その1見学日時や見学マナーはきちんと守る
猫舎への訪問はブリーダーと飼い主さんが日時を相談した上で行います。同じ日に複数のお客様の見学対応を行うブリーダーもいますので、見学時間は必ず守りましょう。
また、同日に他の猫舎見学やペットショップ訪問は行わないでください。ワクチン接種前の仔猫は感染症にかかるリスクが非常に高いためです。猫舎見学前も見学後も、他の猫と接触しないことがベストです。
良いブリーダーは衛生面も徹底しており、猫舎に入る前に手を消毒するなど充分に注意しています。別の猫舎から感染症を持ち込んでしまうことで、猫舎の仔猫を全滅させてしまう可能性もあります。ウイルスは持ち込まない、持ち込ませないが猫舎見学の鉄則であることをどうぞお忘れなく。
心得 その2ブリーダーのお話をしっかり聞く
猫舎見学の最大の目的は、仔猫の様子を見ることとブリーダーとのコミュニケーションを図ることにあります。血統や親猫の情報も含めて、確認すべきことは聞き、疑問点は質問しましょう。また、仔猫には適切な触り方や抱き方があります。仔猫に触れてみたいときは、まずはブリーダーの了承を得て、ブリーダーのアドバイスのもとで行いましょう。仔猫を家族の一員として迎え入れること=ブリーダーとの親戚付き合いのはじまりと考えれば、最低限のマナーは守りたいものです。
心得 その3仔猫と接するときは、思いやりをもって
生まれて日の浅い仔猫にとって、知らない人間の姿は脅威でしかありません。見学の際は怖がらせないような配慮が不可欠です。触れるときはしゃがむなどして、仔猫の目線に極力近づきましょう。また、眠っているときは無理に起こしたり、触ったりすることもなるべく避けてあげてください。
心得 その4購入の意思がなければ見学はしない
猫舎はペットショップではありません。仔猫を見たい、触れたいだけが目的の見学はどこの猫舎も行っていません。ブリーダーは繁殖の専門家として仔猫を育てています。仔猫自体、見せ物のようになることでストレスがたまったり、ウイルス感染リスクも高まります。購入の意思が固まってから、猫舎見学を申し込みたいものです。
ときには、購入の意思があり猫舎見学を行ったにも関わらず、「今回は見送りたい」という場合も往々にしてあります。購入するか否かの意思表示は、必ずブリーダーに連絡を入れましょう。
猫舎見学へ訪れる際は、以上の4つの心得を押さえておきましょう。ブリーダーとしっかりコミュニケーションを取ることで、さまざまな情報が得られます。充実した猫舎見学が、良い仔猫との出会いへとつながります。

準備編5
猫舎見学/仔猫選びのチェックポイント

ネコちゃんとの幸せな暮らしは、理想の仔猫との出会いから始まります。猫舎見学のときに、より良い仔猫を選ぶにあたり、チェックしたいポイントをまとめました。限られた見学時間内で、すべてを見極めるのは難しいため、ブリーダーの話が何よりの参考になります。飼い主さんなりの“理想の仔猫”基準を持ち、猫舎ではしっかり観察することが大切です。
point 1性格で選ぶ
ネコちゃん選びの第一の基準は、やはり飼い主さんがネコちゃんとの暮らしに何を求めるかにあります。一緒にのんびりと過ごしたいのであれば、おとなしい気質の仔猫が好ましく、お子さんなどがいるご家庭で一緒に遊びたいという方は元気で活発な仔猫が望ましいと言えます。
多忙な仕事でゆっくり遊んであげる時間のないのであれば、遊びたがりのネコちゃんを迎えてもお互いに不幸です。飼い主さんの家族構成やライフスタイルも考慮し、ブリーダーのアドバイスを参考にしながら選びましょう。
仔猫の性質は顔つきで分かる!
  • 丸顔×
    丸っこい体つき
    のんびり。穏やかでおとなしめ。狩猟本能や運動要求が低く、走り回ることも少ない。集合住宅向き。
  • 逆三角形の顔×足長で
    ほっそりとした体つき
    活発で神経質。狩猟本能が丸顔のネコちゃんより強く、野性的。来客の多い家庭には不向き。
  • 四角顔×
    しっかりした体つき
    おおらかでフレンドリー。ビビリではないため、子どもがいる家庭向き。体格に優れ、小型犬くらいに成長する場合あり。
※生き物のため性質にも個体差があります。あくまでも仔猫選びの目安として参考にしてください。
point 2オスかメスか
ネコちゃんは性別によって体格や習性に違いがあります。
とくに去勢をしていないオスの場合、メスを求めて脱走することがあります。また、マーキングする習性があり、マーキングすると臭いの強い尿を出すため、室内が汚れて大変です。
また、避妊をしていないメスの場合、発情期にとても大きな鳴き声を出すため、近所迷惑になりペットクレームになりかねません。うっかり発情期に脱走し、帰ってきたときに妊娠しているケースもあります。
オスは去勢、メスは避妊処置をすることで性格的にも落ち着きますので、本来の性質として参考にしてください。
オスとメス。基本の性格はここまで違う!
  • オス
    性格
    好奇心旺盛・人懐っこい・甘えん坊
    体格
    メスと比べ顔が大きく、骨格もがっしりとしている
    特筆点
    スプレーなど問題行動をとるオスネコもいる
  • メス
    性格
    おとなしめ・しっかりもの・クール・自立心旺盛・警戒心が強い
    体格
    骨格が小さめで、オスよりも全体的に小柄
    特筆点
    母性本能が強い・多頭飼いに向く
※生き物のため性質にも個体差があります。あくまでも仔猫選びの目安として参考にしてください。
point 3短毛種か長毛種か
ブラッシングといった手入れの手間も、仔猫を選ぶ際の大事なチェックポイントです。短毛種のネコちゃんは自分で毛づくろいをするため、長毛種ほどグルーミングしてあげる必要がありません。長毛種の場合、毛がもつれたり、毛玉になったりする傾向があり、こまめなブラッシングやシャンプーが不可欠です。ライフスタイルで考えたとき、こまめにお手入れする余裕がない方は、短毛種がおすすめと言えます。
短毛種と長毛種。お世話の内容がここまで違う!
  • 短毛種
    短毛種
    ブラッシング
    週2〜3回が目安。換毛期は1日1回
    シャンプー
    年に1回程度
  • 長毛種
    長毛種
    ブラッシング
    1日1回。換毛期は毎日朝晩1回ずつ
    シャンプー
    こまめに行う

    ・お尻のまわりの毛に排泄物がつきやすいため、汚れた部分はこまめに拭き取る。
    ・肉球の毛が伸びると滑りやすいため、余分な毛はこまめにカットする。
point 4正当な価格
ブリーダーは情熱を持って仔猫を育てていますが、高額な仔猫=良い仔猫とは限りません。仔猫の価格設定には以下の2通りがあるので、購入する際の参考にしてください。
  • 市場価値を基準に考えられた価格
    一般的に、仔猫の価格は市場価値で決められます。人気猫種は高値に、人気が落ちると安値になるなど、世の中のトレンドの影響が大きく、需要の有無が仔猫の価格を左右しています。
  • 仔猫の価値を基準に考えられた価格
    ときには、仔猫の価値で価格を決めるブリーダーもいます。良いブリーダーほど市場の人気や価格に惑わされることなく、価格設定を行っています。健康、性格、姿かたちなどが最高の仔猫が生まれたら高値をつけ、その仔猫を基準にほかの仔猫の価格を決めていくようです。
    固定価格を設定しているブリーダーは、人気猫種であるほど市場価格よりお値打ちに、なおかつ仔猫の質も一定基準を維持している傾向が大きいです。

実践編1
知っておきたい飼い猫のための法律

ネコちゃんと飼い主さんが互いに幸せな生活が送れるよう、「動物の愛護及び管理に関する法律(以下、動物愛護法)」が環境省により定められています。もちろん、ネコちゃん自身が守ることはできませんから、責任も守るべき義務もすべて飼い主さんにあります。違反した場合は罰金が科せられたり、懲役に問われることも…。法的な決まりをしっかりと理解し、仔猫を家族に迎え入れたら、飼い主さんの努めるべき責務を守りましょう。
  • point1飼い主さんに守ってほしい7か条
  • point2動物の愛護及び管理に関する法律/罰則の事例
point 1飼い主さんの守ってほしい7か条
仔猫はもちろん、動物を飼うことはその子の命を預かることです。飼い主さんには近隣をはじめ社会に迷惑を及ぼさないための、モラルとマナーが不可欠です。
  • 1. ネコの習性等を正しく理解し、最期まで責任をもって飼うこと
    ネコの生態や習性に応じて適切な飼育を行い、健康と安全に気を配り、その命を終えるまで責任を持って飼わなければいけません。
  • 2. 危害や迷惑の発生を防止すること
    排泄物による悪臭や毛の飛散などで近隣の人の生活環境を悪化させたり、公共の場を汚さないようにしましょう。また人に危害を加えたり、鳴き声などの騒音で近隣に迷惑をかけないようにしましょう。
  • 3. 災害に備えること
    地震などの災害時にネコちゃんの命を守ることができるのは、飼い主さんだけです。ネコちゃん用の水やエサの備蓄、ケージやキャリーバッグに慣れさせておく、ネコちゃんを伴った避難訓練の実施等、できる準備をしておきましょう。万が一、災害が起こった際は、ネコちゃんと一緒に安全に避難するよう心がけて。
  • 4. むやみに数を増やしたり繁殖させないこと
    一匹一匹を常に適正な状態と環境で飼うためにも、自宅で育てられる数を超えることのないようにしましょう。毎年何万頭の仔猫や仔犬が殺処分されています。生まれてくる命に責任が持てないのであれば、不妊去勢手術などを行っておきましょう。
  • 5. 動物による感染症の知識を持つこと
    動物と人の双方に関する病気(人獣共通感染症・ズーノーシス)について正しい知識を持ち、自分や他の人への感染を防ぎましょう。
  • 6. ネコが逃げたり迷子にならないようにすること
    飼いネコが逃げ出してしまったり、迷子になると、ネコちゃん自身はもちろん、近隣の人々が危険にさらされてしまいます。災害も含めた万が一の場合に備え、迷子防止の対策をとりましょう。
  • 7. 動物による感染症の知識を持つこと
    ネコちゃんが迷子になった場合や盗難に備えて、マイクロチップや迷子札などの標識を装着しておきましょう。飼い主さんの発見を容易にしてくれます。
point 2動物の愛護及び管理に関する法律/罰則の事例
すべての人は「命あるもの」である動物をみだりに殺傷したり苦しめることのないようにしなくてはなりません(動物愛護法/基本原則)。
飼いネコに対しては、適切に水やエサを与え、習性に応じた環境を用意して健康管理をすることも飼い主さんの責務です。とくに、ネコちゃんを虐待したり捨てた場合は犯罪行為とみなされ、罰金や懲役といった処罰が科せられることになります。
  • 虐待の禁止
    故意に飼い猫を傷つけたり、殺してはならない。
    違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金
  • ネグレクト行為の禁止
    飼い猫に対して、故意に水やエサを与えなかったり病気を放置する等、必要な世話を怠ってはならない。
    違反した場合、2年以下の懲役または200万円以下の罰金
  • 遺棄の禁止
    飼い猫を捨ててはならない。
    違反した場合、100万円以下の罰金

実践編2
気をつけたい愛猫の問題行動

ふだんは穏やかに過ごしていたネコちゃんが、突然、攻撃的になってしまうことがあります。シャーッと唸って引っかいたりガブっと噛んだりするなどの問題行動のほとんどは、環境の変化からくるストレスが原因と思われます。そこで飼い主さんがむやみに叱ったりすることは逆効果。ネコちゃんの習性をよく理解し、ネコちゃんも飼い主さんも互いにストレスなく過ごすことが第一です。問題行動の種類によっては、ご近所に迷惑をかけることになりかねません。問題行動の原因と対処法を参考に、ネコちゃんにとってのストレスフリーな環境づくりを心がけましょう。
  • point1ネコちゃんにありがちな問題行動と対処法
  • point2問題行動を起こさせないために心がけたいこと
  • point3ネコちゃんにありがちな問題行動と対処法
point 1ペットにまつわるよくあるトラブル事例
  • case1攻撃行動
  • case2転嫁行動
  • case3破壊行動
  • case 1攻撃行動
    飼い主さんや家族、お客さん、同居している別のネコちゃんや他の動物、近所のネコちゃん等に対して、威嚇したり、引っかいたり、噛みついたりする。仔猫の頃は遊びが高じて行うこともあるが、恐怖を感じたり、緊張したり、遊びの中で過度に興奮状態にさせてしまったときなどに防御的な攻撃行動をすることが多い。
    • ●対策
    • ・恐れの原因を特定し、近づけないようにする
    • ・落ち着いた静かな態度で接する
    • ・多頭飼いの場合は、部屋を仕切るか別の部屋で暮らさせる
    • ・家族やお客さんなど攻撃対象となった人に慣らす工夫をする
  • case 2転嫁行動
    やり場のない怒りやストレスを、飼い主さんや他の動物といった身近なところを対象にして鬱憤を晴らすような行動。一見、理由なく、ネコちゃんが人を引っかいたり、噛んだりする理由の約50%は転嫁行動によると言われる。実例としては、比較的におとなしく、穏やかな性格のネコちゃんが、懐いていた飼い主さんを引っかいたり噛みついたりする。同居するネコちゃんがお気に入りのクッションを使用しているのに気づき攻撃するetc
    • ●対策
    • ・転嫁行動の理由を探し、理由にあった対策をとる(以下参照)
    • ・飼い主さんに赤ちゃんが生まれ、遊んでくれる時間が減った場合などは家族が協力するなどして好きな遊びの時間を増やしてあげる
    • ・仲が良かった同居ネコへケンカをふっかけるようになったなどの場合はトイレや食事、お気に入りの場所等をネコちゃんごとに分けてあげる
    • ・家の外にいるネコの声や姿に反応し、攻撃できない代わりに身近な飼い主さん等に攻撃してくるといった場合、窓を閉め、外が見えないようにカーテン等で視界をさえぎるなどして、あらかじめ刺激を与えない
  • case 3破壊行動
    物を噛む癖のあるネコちゃんが、家具などに対して攻撃的になることがあります。家具を噛んだり、鉢植えの観葉植物を噛んで破壊することもしばしば。また、飼い主さんに構ってほしくて高いところにあるものにいたずらして落とし、壊れてしまうケースもあります。
    • ●対策
    • ・専用の爪とぎ器を与え、そこで爪をといだら褒めてあげる
    • ・傷つけられたくないものには保護シートを貼っておく
    • ・落としたら壊れるものや、落とされて困るものは、ネコちゃんの届かない場所に片付ける
point 2問題行動を起こさせないために心がけたいこと
  • 環境によるストレスを避ける
    引っ越し、飼い主さんに家族が増える、仔猫が生まれたり新しいネコちゃんがやってくる等、環境の変化はネコちゃんにとって大きなストレス。できる限り、生活環境は変わらない状態で維持し続けてあげましょう。
  • ストレスフリーな環境づくり
    ネコちゃんには狩猟本能があり、誰にもじゃまされず隠れることができる場所を好みます。広く見渡せる高い場所や、開閉しない出窓など外の様子が見える場所、狭くて暗い場所など、安心して暮らせる環境を整えてあげたいものです。
  • 仔猫との遊び方に注意
    仔猫の頃に人との接触が不十分な場合、人に対して恐怖心の多い成猫に育ちます。また、仔猫の頃の遊び方がのちの攻撃行動につながることもあるため、仔猫との付き合い方には配慮したいものです。たとえば、からかったり追いかけたり、荒々しい遊びをくり返したことで攻撃性の高いネコちゃんに育つことも。活発なネコちゃんは問題行動が多い傾向にあるため、仔猫のうちから遊び方には注意しましょう。
  • 遊んであげることもストレス解消に
    仔猫の頃の遊び方には気をつけるべきポイントですが、遊びたいさかりの若いネコちゃんは遊んでもらえないことがストレスの原因に。性格にもよりますが、とくに活発なネコちゃんとはたくさん遊んであげましょう。
  • 恐ろしい経験に気をつける
    ネコちゃんは恐怖に対する感受性が高い生き物です。閉じ込められた、無理に薬を飲まされた等の仔猫の時代の恐ろしくて嫌だった学習体験が、その後の攻撃行動につながります。度を超えたしつけによる体罰などもその例です。接し方には気をつけて。

応用編1
ワクチン接種で感染予防

猫は伝染病にかかりやすいどうぶつです。仔猫のうちから適切なワクチン接種を行い、愛猫の健康を守りましょう。感染症は飼い猫の健康を害するだけでなく、他の猫をはじめ、場合によっては人間にうつることもあります。「室内で飼っているから大丈夫」ということは決してありません。細菌やウイルスは、外出した際に飼い主さんの衣服や靴などに付着して無意識に持ち込むことも、飼い猫がベランダに出て感染する場合もあります。

猫のワクチン接種は法律では定められていません。ですが、かわいいネコちゃんを感染病で苦しませないためにも、また飼い主さんの暮らしの周辺に感染症が広がらないようにするためにも、ワクチン接種を行って免疫力をつけさせてあげましょう。ただし、ワクチンには副作用が出る場合もありますから、正しい知識が不可欠です。感染症の種類をはじめ、飼い主さんが知っておきたい感染症の知識を、3つのポイントでご説明します。
  • point1ワクチン接種で予防できる感染症
  • point2ワクチン接種を受けるべき時期と頻度
  • point3ワクチン接種後に気をつけたいこと
point 1ワクチン接種で予防できる感染症
猫がかかりがちな感染症の種類と症状、予防用の混合ワクチンについて紹介します。
代表的な猫の感染症
  • ①猫ウイルス性鼻気管炎(FVR)
    症状:発熱、鼻水、くしゃみ、目ヤニ、食欲不振など
    ※猫ヘルペスウイルスによって発症する。「猫の風邪」とも言われる
  • ②猫汎白血球減少症(猫伝染性腸炎)
    症状:白血球の減少、発熱、嘔吐、下痢、食欲不振、体重減少など
    ※猫パルボウイルスにより発症する。感染力が強く、仔猫が感染すると重篤になり死に至る場合も
  • ③猫カリシウイルス感染症(FCV)
    症状:くしゃみ、鼻水、咳、発熱など。症状が進むと舌や口の周辺に潰瘍や水泡ができる
    ※猫伝染性鼻気管炎と似た症状が出る
  • ④猫白血病ウイルス感染症(FelV)
    症状:白血病、リンパ腫など血液系の潰瘍の発症から、免疫力低下による貧血、腎炎、口内炎など
    ※重篤になるケースが多い
  • ⑤クラミジア感染症
    症状:重度の結膜炎による目ヤニ、涙目、くしゃみ、鼻水といった鼻炎、咳など
ワクチンの種類
3種から7種の混合ワクチンがあり、上記感染症の①〜③はすべての猫に接種することが推奨されています。かかりつけの獣医師と相談し、ネコちゃんの生活環境に合った混合ワクチンを接種しましょう。なお、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV/猫エイズウイルス)は単体のワクチンを接種します。(7種目は狂犬病につき除く)
コアワクチン・ノンコアワクチン感染症予防接種表
※一般的に3種混合ワクチンは3000〜5000円、4種・5種混合ワクチンは5000〜7000円程度が目安(どうぶつ病院によって価格は異なる)
point 2ワクチン接種を受けるべき時期と頻度
ワクチン接種の年齢
  • 成猫……いつでも可(元気で健康な状態のときに)
  • 仔猫……生後2〜3ヶ月以降
    ※母猫からの母乳に含まれる抗体(免疫)がさまざまな病気から守ってくれるが、生後数ヶ月で消失するため
ワクチン接種の時期
  • 成猫……年1回の接種を推奨
  • 仔猫……生後2ヶ月頃に1回目、その1ヶ月後に2回目、さらに1ヶ月後に3回目(月齢による)
◎適切な時期の判断は、ネコちゃんの健康状態や体質をもとに、かかりつけの獣医師にご相談を!
point 3ワクチン接種後に気をつけたいこと
ワクチン接種後、24時間以内に副反応が出ることがあります。ネコちゃんの様子を注意深く見てあげてください。とくに接種後、1時間程度はストレスのない環境で運動も避け、ネコちゃんを安静に過ごさせてあげましょう。
アナフィラキシーショックなど、命にかかわる副反応が出る場合もあります。よだれをたらす、顔がむくむなどのアレルギー反応が見られたら、速やかにかかりつけのどうぶつ病院へ連れていき、適切な処置をしてもらってください。
副反応の症状例
  • ・顔面のむくみや腫れ
  • ・皮膚をかゆがる、じんましんが出ている
  • ・嘔吐や下痢、発熱、呼吸困難、虚脱など
  • ・注射した部分にしこりが感じられる

応用編2
どうぶつ病院の選び方

仔猫を迎え入れることが決まったら、どうぶつ病院を探しておきましょう。
毎年のワクチン接種にはじまり、フィラリア予防や病気、ケガの治療、健康診断まで、お世話になる場面が多々あります。仔猫はとくに病気にかかりやすい傾向があるため、かかりつけのどうぶつ病院があると安心です。
仔猫は人間よりも成長スピードが速いですから、治療の遅れが命取りになることも。万が一のときだけでなく、普段から健康管理についても相談にのってくれる、頼れる獣医さんを見つけておきたいものです。
どうぶつ病院選びのポイントを紹介します。目安としてご活用ください。
  • point1自宅から通いやすいエリアにある
  • point2正しい情報を取捨選択する
  • point3獣医の確かな技術力と病院のていねいな対応
point 1自宅から通いやすいエリアにある
長時間の移動は仔猫にとってストレスのもと。体調が急変する場合もありますから、できるだけ家の近くにあるほうがよいでしょう。
point 2正しい情報を取捨選択する
インターネット上には宣伝PRをはじめ、さまざまなどうぶつ病院の情報があふれています。どうぶつ病院は、仔猫という大切な家族の命をあずける場所ですから、真偽のわからない情報に惑わされず、家の近いエリアの病院を検索する程度がベターです。
ネコちゃんを飼っているご近所の方の口コミ情報も良い判断材料に。とはいえ、獣医さんとネコちゃんの相性もあります。当たりをつけたら2、3回通ってみて判断しましょう。
point 3獣医の確かな技術力と病院のていねいな対応
  • 1. 病院内は広く、待合室や診療室が清潔に保たれている
    待ち合いなども含めて、狭い病院内は飼い主さんにとっても居心地がよくないものです。一定の広さのある病院が望ましいところ。また、清掃が行き届いて衛生管理がしっかりとなされていることもマストです。
  • 2. 病状や診察方法、治療費について、きちんと説明してくれる
    良い獣医は、診療時にネコちゃんの病状や今後の治療方針についてきちんと説明してくれます。また、飼い主さんの質問に対しても納得いくまで教えてくれます。高額な治療費となる場合は、その旨も事前に知らせてくれます。
  • 3. 触診するとき、ていねいに扱ってくれる
    仔猫にまったく触らず診療を行ったり、取り扱いに慣れすぎたあまり乱雑に扱うような獣医は論外です。良い獣医は仔猫に限らずどんなどうぶつも、ていねいに診療します。
  • 4. 対応できない場合は別の病院を紹介してくれる
    どうぶつ病院の診療対象は、犬猫に限らず多種多様。また病院によって設備も異なり、手術・入院ができる施設とそうでない施設があります。もし、対応しきれない病院やケガの場合、良い獣医は「当院では対応できません。専門設備のある病院を紹介します」と飼い主さんに正確に伝えます。また、独自のネットワークをフル活用し、治療の窓口になってくれる点でも安心です。
  • 5. 夜間や休日も対応してくれる
    仔猫がいつ体調を崩すとも限りません。急病時、夜間や休日といった診療時間外でも対応してくれる病院が安心です。また、個人病院で対応が難しい場合、救急病院を紹介してくれるなど、良い獣医は飼い主さんを不安にさせません。

応用編3
去勢と避妊はなぜ必要?

猫は生後6〜10ヶ月で性成熟し、メス猫は交尾後排卵のため高確率で妊娠します。しかも一度に4〜6頭を出産すると言われています。野良猫の数は多く、年間6万頭以上が自治体の保健所や動物愛護センターに引き取られますが、そのうち約43%がやむなく殺処分されているのが現状です。
飼い主さんがたとえ猫好きでも、愛猫が生んだ仔猫を養いきれない場合はなんらかの方法で手放すことになります。ときには恵まれない仔猫も出てくるかもしれません。また万が一、愛猫が知らないうちに外で仔猫を産んでしまったら、仔猫は野良猫として殺処分の対象になりかねません。

去勢・避妊手術を行う目的は、そうした望まれない繁殖を防ぐことにあります。その他にもさまざまなメリットがあり、病気の予防もその一つです。メス猫は卵巣と子宮の病気や乳腺腫瘍、オス猫は精巣や前立腺の病気を予防すると言われています。とはいえ、健康なネコちゃんへの執刀手術を行うことや術後の肥満のリスクもあるため、去勢・避妊手術をするかしないかはあくまでも飼い主さんの判断です。以下の去勢・避妊のメリットや費用を参考に、手術について考えてみるのもいですね。
  • point1去勢・避妊手術の方法と時期
  • point2去勢・避妊手術のメリットとデメリット
  • point3去勢・避妊の手術費用と助成金制度
point 1去勢・避妊手術の方法と時期
  • 去勢手術
    方法
    オス猫の精巣を摘出する手術です。一般的に全身麻酔をかけて精巣付近の皮膚の切開手術を行います。
    時期
    個体差はあるものの、生後6ヶ月〜10ヶ月で成熟期を迎えるオス猫。決まった周期での発情期はないものの、発情期のメス猫と出会えば発情していつでも交尾できます。発情したメス猫に刺激され、大きな鳴き声を発したり、立ったままの姿勢でニオイの強い尿をあちこちにかける「スプレー行動」をしたりします。
  • 避妊手術
    方法
    メス猫の子宮と卵巣を摘出する手術です。一般的に全身麻酔をかけて開腹手術を行います。どうぶつ病院によって、卵巣のみ摘出の場合もあります。
    時期
    メス猫のはじめての発情期は生後6ヶ月〜10ヶ月。陰部からの出血は見られませんが、大きな鳴き声を出したり、からだをゴロゴロと床にこすりつけたり、腰のあたりを触るとお尻を持ち上げるといった動作が見られたら、発情期の兆候です。ときには、トイレ以外の場所でオシッコをすることもあります。
    一般的に、発情周期は4ヶ月〜6ヶ月で年間2〜3回、訪れます。
point 2去勢・避妊手術のメリットとデメリット
去勢手術のメリット
  • ・攻撃性が低下し、放浪やケンカなどの行為が抑制される
  • ・スプレー行動の改善
  • ・性的なストレスの軽減
  • ・前立腺系の病気(前立腺肥大など)の発症率の低下
  • ・会陰ヘルニアの予防
  • ・精巣腫瘍の予防
避妊手術のメリット
  • ・不要な交配、望まない妊娠の回避
  • ・発情がなくなることによる、性的ストレスの軽減
  • ・子宮の病気(子宮蓄膿症など)の予防
  • ・卵巣疾患(卵胞嚢腫など)の予防
  • ・乳腺腫瘍の発症リスクの軽減(1回目の発情期前の手術が最も効果的)
※去勢・避妊手術により、かなりの割合で抑えられるメリットを上げましたが、猫によっては効果のない場合もあります。
去勢・避妊手術のデメリット
  • ・全身麻酔によるリスク
  • ・精巣や卵巣を摘出することにより、手術前より代謝エネルギー量が減り、太りやすくなる
全身麻酔は手術前に検査や検診を行いますが、ネコちゃんの体調の良いときに行いましょう。また、抜糸などの手術後のケアのための通院が必要です。
手術の詳細や時期的なタイミングも含めて、かかりつけの獣医師さんにご相談ください。
point 3去勢・避妊の手術費用と助成金制度
  • 去勢手術
    5000〜2万円
  • 避妊手術
    卵巣摘出のみ…………1〜3万円
    卵巣と子宮の摘出……1〜4万円
  • ※どうぶつ病院によって価格は異なります。検査費、麻酔費、入院費等が別途必要な場合もありますから、あらかじめ、かかりつけのどうぶつ病院に確認を。
    助成金について
    自治体によっては、ネコちゃんの去勢、避妊手術について申請することで、助成金が支払われる場合があります。助成金の額は市町村により異なりますが、3000〜5000円が一般的です。まずは、地域の市町村役場で助成金の有る無しを確認してみましょう。

応用編4
気になるニオイの原因と対策

ペットを飼うとき、ニオイが気になるものですが、ネコちゃんはほとんど体臭がありません。そもそも狩猟動物として、獲物に気づかれないように生きてきたどうぶつだからです。加えて、ネコちゃんは毛づくろいもこまめに行う習性があるため、ニオイはほとんどしないのです。
とはいえ、ネコちゃんと共に暮らす飼い主さんにとって、室内のニオイは敏感になるもの。そこで、ネコちゃんとの生活で気になるニオイについてまずはその原因を知り、ニオイごとにベストな対策について紹介します。
  • point1トイレ
  • point2フードの食べ残し
  • point3口臭&体臭
  • point4スプレー行動
point 1トイレ
ネコちゃんのウンチはツンとしたニオイがあり、オシッコも独特のニオイがあります。用を足した後に砂をかけて排泄物を埋めて隠すのは、ほかのどうぶつに居場所を知られないよう、ニオイを消す習性によるものです。そのため、トイレが排泄物でいっぱいになると、別の場所でトイレをしてしまう可能性も。
トイレのニオイを軽減させるには、トイレを清潔にすることが第一です。
猫砂はさまざまな種類があり、消臭力も異なります。猫砂は月に1回を目安にすべて取り替え、トイレそのものを洗うことをおすすめします。入口にカバーの付いたドーム型トイレなどは、ニオイが拡散しにくく、消臭対策になります。オープン型のトイレを好むネコちゃんならば、トイレ付近に空気清浄機を置くのも一つです。
排泄物のニオイや形状は、ネコちゃんの健康のバロメータ。いつもよりニオイが強く感じたら、どうぶつ病院に相談してみましょう。
point 2フードの食べ残し
比較的、食に対する執着が薄いネコちゃんは、フードを一気に食べ切らず、食べ残すのが日常です。この食べ残しを、置きっぱなしにしておくとニオイの元に。また、食べ残しフードには口内の雑菌が移り、繁殖してしまうため、速やかに片付け、食器も1回ごとに洗って衛生的に保ちましょう。水洗いだけでは唾液などが付着した食器がきれいにならないため、ペット専用の食器洗剤を使用することが安全面においてもおすすめです。
日頃から、食べ残しが出ないようにネコちゃんの食べきれる量を把握しておくことも大切です。
point 3口臭&体臭
ネコちゃんは普段から毛づくろいをしますが、定期的にブラッシングすることで、抜け毛や汚れが落ちて衛生的です。毛足の長い猫種であれば、ときどきシャンプーをすることが理想ですが、タオルなどでからだを拭いてあげるのも良いでしょう。
  • 口臭
    毛づくろいした場所が臭った場合は要注意。口臭が原因であることが多いです。歯に歯石がたまっていたり、内臓が弱っている可能性もありますので、口臭が気になったら、速やかにかかりつけの獣医師さんに診てもらってください。
  • おしり
    おしりが臭う場合は、肛門腺に分泌物が溜まっている可能性があります。溜まりやすいネコちゃんならば、定期的に肛門腺絞りを行って、溜まった分泌物を排出してあげましょう。自宅でもケアできるよう、どうぶつ病院で肛門腺の絞り方を教えてもらうのも一つです。
point 4スプレー行動
排泄行為ではなく、なわばりを示すためのニオイつけ行動(マーキング)をスプレー行動といいます。立ったまま少量のオシッコをカーテンや壁にひっかけます。去勢をしていないオス猫によく見受けられ、通常のオシッコよりニオイが強烈です。発情期前に去勢手術をすることが、スプレー行動予防に効果的。ただし、すでにスプレー行動が習慣化している場合や、多頭飼いをしている場合は、去勢してもおさまらない可能性もあります。まれにメス猫も行います。

引っ越しや模様替え、ペットも含めて新しい家族が増えるといった環境の変化や、飼い主さんが長期不在するなどし愛情不足を感じたときなど、スプレー行動を起こすことも。原因となっている不安要素を取り除いてあげましょう、

万が一、スプレー行動をした場合は、汚れた場所を速やかに掃除し、ニオイや痕跡を残さないことが、次なるスプレー行動の抑制につながります。
汚れた場所は、きれいに拭き取り、中性洗剤やアルコール消毒、ペット用消臭スプレーなどで清潔に保ちたいものです。